1/21中村善郎・宮野弘紀 ライブ・レポ
2010年01月24日

中村善郎(Vo./G.) 宮野弘紀(G.)
伝説のギターデュオ“NOS”宮野弘紀さんと中村善郎さんのボサノバ・ライブ。
中村善郎さんは、日本のボサノバ界の草分け的存在のミュージシャンで、この日に集まった岡山・倉敷の熱心なボサノバギターファンが、思わずうなりそうな顔になりながら(笑)じっくり聴き入ってしまうような、極上のボサノバライブとなりました。
初登場の中村善郎さん、お会いしてびっくりしましたが背が高くてスラっとされております。長いリーチでゆったりとしたギターを構えから、力強くてリズミカルなギターの音色が生まれておりました。そして、歌声がとても素敵。まろやかで温かくてでもちょっと影も感じられるようなボーカルは、うっとりとしてしまいました。事前にCDも聴かせていただきましたが、断然生がいいです。生で聴こえてくる声の響きは、完成されたCDの歌声よりもしびれます。善郎さんの歌声はCDだけでは伝わりきらない魅力がありましたね。日本のジョアン・ジルベルトなど、様々な形容詞が付く善郎さんですが、納得です。
セットリストは、ボサノバの名曲を中心に善郎さんのオリジナルと宮野さんのオリジナルを織り交ぜた構成。スピード感あふれる『おいしい水』はノリノリでかっこ良く、スローな『黒いオルフェ』ではしっとりとその歌声を堪能させていただきました。後でお話を聞いたのですか、日本のジャズやボサノバ界では、シンガーは女性の方が台頭していますが、そもそもブラジルではボサノバの中心人物はほとんどが男性のシンガーなんですよね。そういった意味でも今回のライブは“これこそがボサノバ”という内容でした。でもね~、生『トラベルシア』が聴きたかったなぁ~。リハでちょろろっと善郎さんが弾いてたので、“おっ、本番で聴けそう”って思ってましたが残念でした。みんな大好きな素敵な曲ですもんね。次の機会を期待しましょう!!
さて、宮野さんはもうすっかりお馴染みです。隣にギターリストがいるとついつい張り切ってしまう宮野さんですが、今回もギターソロでは、“これでもか~”というくらいサザナミ・ギターソロを弾いておられました。最近は私もすっかり宮野ギター通で、イントロが始まっただけで、“あっ、久しぶりに『クレッセンド』だ!!”とか、“次は『さくら』だな”となどと分かってしまいました。それだけ宮野さんが何度も倉敷に来て下さっているということです。いつ聴いても宮野さんらしい、全てを包み込むような温かさと少年っぽい遊び心を併せ持つギターは全てを忘れてリラックスして楽しめます。
最近では新進気鋭のミュージシャンが来られるライブが多かったのですが、今回はベテランの円熟した演奏を楽しませていただきました。お二人がそれぞれ長年追及されてきた独自のスタイルは、何年も演奏し続けた人でなければ出すことができない個性のように思いました。またお二人がお互い積み重ねてきたスタイルに敬意を表しながら音を重ねていることが、とても伝わってきました。
そして、倉敷には、まだまだ熱心なボサノバ・ファンがたくさんいることを再確認しました。また、ぜひ倉敷のみなさんに最高のボサノバを聴かせていただきたいなぁと思います。
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